意外と飼いやすい?自宅で飼える珍しいペット「エキゾチックアニマル」とは

エキゾチックアニマルとは、簡単に言うと犬猫以外でペットにできる動物(生きもの)の総称です。動物病院やペットショップ等のペット業者で使われている言葉ですが、明確な定義はないので、ハムスターのことだったり、珍しいペットのことだったり、海外輸入した生きものだったり、曖昧です。少し特殊なペットのことを言うのかなと考えればいいかと思います。
動物病院で診てもらう際には、エキゾチックアニマル可と謳われていても、かなり曖昧な総称なので具体的な取り扱いペットについて聞いておく必要があるでしょう。

珍しいペットを飼っている有名人として、森泉さんが有名ですね。森泉さんは、ミニブタ、ナマケモノ、フクロモモンガ、オオハシ、ミーアキャット、ツノガエル、フトアゴヒケトカゲ等、他にもたくさんのペットを飼っています。女優のガッキーこと新垣結衣さんもヒョウモントカゲモドキを飼っていることで、驚いた人もたくさんいましたね。
最近では、珍しいペットを飼う人が増え、珍しくなくなってきましたが、まだまだ珍しいペットの種類は多いもの。どこから見つけてくるのだろうというくらい、様々なペットがいて驚かされますね。そこで、今回は珍しいペットについて紹介します。

小さくてかわいい!珍しい小動物

小さくてかわいさは一級品!珍しいペットの中でも小動物は比較的飼いやすい方になるでしょう。だからと言ってペットとして迎え入れられるわけではありませんので、要注意。たくさんの珍しい小動物の種類の内、最近話題の小動物をいくつか紹介します。

フェレット フェレットがぬいぐるみの横で寝ている様子フェレットはイタチ科、夜行性の肉食で、寿命は5~8年程度です。だんだんとペットとして定着化してきた感じがあり、ペットショップでも見かけることがありますね。フェレット専用のフードもあります。ハーネスをしてお散歩している姿を見かけたことがある人もいるでしょう。
価格は数万~10万円程度です。ほぼ鳴くこともなく、好奇心旺盛で人にもとてもなつきやすいので一緒に遊んであげると喜びます。独特なニオイを発するのでしっかり掃除をし、シャンプーもしてあげる必要があるでしょう。

ハリネズミ ハリネズミが丸太に上っている様子ハリネズミは食虫目ハリネズミ科の夜行性でモグラの一種です。寿命は5~10年と言われています。ハムスター等のネズミの仲間だと思って間違えたエサを与えると栄養障害を起こす可能性もあるので気を付けてください。主食はハリネズミの専用フードですが、副食として昆虫やミルワーム等の生餌を与えてあげましょう。
価格は3万前後です。おっとりして見えますが非常に臆病で、馴れてもらうためにはじっくり愛情をかけてあげる必要があるでしょう。

プレーリードッグ 横を向いて座っているプレーリードッグの様子プレーリードッグはネズミ目リス科プレーリードッグ属の動物の総称です。寿命は7~8年程度で、基本的にペットとして日本でプレーリードッグというのはオグロプレーリードッグを指します。昼行性で活発、警戒心の強い小動物です。2003年3月からペストや野兎症等の感染症を媒介する恐れがあるとして輸入禁止になり、現在日本にいるのは輸入禁止前の個体から繁殖されたもので、感染の危険性はありません。
日本国内での個体数が少ないため価格は20万前後です。草食性のため、エサは牧草や専用フードを与えます。集団で暮らす動物のため仲間思いで人懐っこいでしょう。1匹にしておくと寂しさでストレスがたまり、自分を噛んでしまうので要注意です。

カワウソ 2匹のカワウソが寝ながらこちらを見ているの様子カワウソはイタチ科で、ペットとしての多くはコツメカワウソという種類です。最近では握手ができる動物園もあり人気急上昇!昼行性で、人懐こく甘えん坊な一面もあり、カワウソとのスキンシップを楽しめます。ただし、体臭が強めなため、事前に動物園やペットショップ等で確かめておく必要がありそうです。
人工繁殖が難しく価格は輸出制限もあるため価格は最低でも60万円は必要でしょう。ペットショップでも滅多にお目にかかれない貴重な動物です。エサはフェレットフードやキャットフードを主食に、副菜として魚や貝を与えましょう。

フェネック 2匹のフェネックの内、1匹がこちらの方を向ている様子フェネックはイヌ科キツネ属の不思議な生きものです。寿命は10年ほど、体重は1.0~1.5kg体長は40cmほどで、ふわふわの体毛を持っています。夜行性で活発、甲高い鳴き声で響くため防音室が必要かもしれません。また、アフリカの砂漠出身のため寒さに弱く湿度管理も重要です。
価格はブリーダーでも60万以上、ペットショップだと100万円前後です。個体差もありますが、小さいときから育てれば犬のようになつきつつ、猫のような一面もあります。犬と猫を足して割ったようとはいいますが、あくまで、警戒心が強く臆病で神経質な野生の生きものだと思っていた方がいいでしょう。また、独特なニオイがあり、その原因のほとんどは排泄物にあるのですが、トイレを覚えないため、処理が大変でしょう。エサはイヌ科なのでドッグフードで問題ありませんが、タウリン接種のためにキャットフードを与える人も多いようです。水分は野菜や果物から摂るようですが、給水ボトルをも設置しておきましょう。

その他のペットにできる珍しい小動物 手の上に乗ったスローロリスがバナナをもらって食べている様子ペットとして飼える小動物はたくさんいます。アライグマの仲間で人に馴れやすい性格のカコミスル、 小さいサルのコモンマーモセットやピグミーマーモセット、近年では特にスローロリスも人気があり、カンガルーの仲間の袋モモンガ、人なれしやすくハムスターより長生きなスナネズミ等様々です。ディズニー映画ライオンキングおなじみ動物園ではよく見るミーアキャット、とても人懐こく飼うことができますよ。

動物園で見かけるような鳥類

鳥にもペットにできる珍しい種類がたくさんいます。珍しいけれども大型のインコであれば案外ペットショップで扱っていることも多いでしょう。インコよりも珍しいとなるとさすがに入手も飼育も困難です。いくつか例を挙げてみました。

フクロウ フクロウがどこかを見つめている様子夜行性で肉食のフクロウは、エサの用意とストレスレスな環境を整えることが大変です。エサはラットやヒヨコ等の新鮮な生肉です。一口大の大きさにさばいて与えましょう。広い飼育スペースや気温・湿度はもちろん、止まり木の種類等、細かく生まれ育った自然環境に近づけてあげる必要があります。
価格は20~30万円ほどで、エサ代には月々5,000円~1万円程度は必要でしょう。寿命は小型で10~15年、大型~大型になると20~30年ほどです。ペットとしても迎えられるフクロウでも様々な種類がいるので、それぞれの性格や特性を理解し、自分で飼える種類を見つけると良いでしょう。
フクロウカフェが流行り、フクロウをペットにしたいと考える人も増えてきました。しかし、環境だけを考えても飼うのはとても難しいので、もし本気で飼おうと思ったら事前にしっかりフクロウについてよく学ぶ必要があります。

日本産のフクロウはペットにできない
飼育できるフクロウは、日本産ではなく、海外から正式な手続きを経て日本に輸入したフクロウやそれらを繁殖させた個体のみです。怪我をしたフクロウを拾って無許可で飼うことは違法行為となり、処罰の対象になるので気を付けてください。

オオハシ オオハシが止まり木にとまっている様子オオハシは種類がたくさんいますが、いずれもペットにできる鳥類の中でも飼育難易度はトップクラスでしょう。とても活動的なためかなり広い飼育スペースが必要で、大きいケージを用意しても運動不足でストレスがたまるので毎日ケージから出して広いところで運動させなければいけません。鳴き声も大きいので要注意、温度・湿度管理も大切です。オオハシの種類によっては年中28度程度の地域に生息しています。一年をとして同じ温度・湿度にする必要があるため、年中エアコン必須となるでしょう。野生のオオハシのエサは果物や昆虫、小型の爬虫類で、ペットとしてはオオハシ用のフードと果物を与えます。果物はオオハシの生息地南国のフルーツであるパッションフルーツ、マンゴー、パパイヤ、バナナ等です。高級な果物なので、食費がけっこうかかります。
価格は30~50万で、体長は30~60cm、寿命は野生では50年ほど生きるといわれていますがペットにすると15年程度になります。性格は臆病ですが、賢く人にも良くなつきます。

動物園が自宅に!?ペットにできる大きめの動物

さすがにゾウやキリンを飼うことはほぼ不可能ですが、ここは動物園かおもうような動物もペットにすることができます。ミニブタは有名人でも飼っている人がいて話題にも上がり人気となりましたが、もっと珍しい動物の一部を紹介します。

ナマケモノ ナマケモノが気にぶら下がっている様子ナマケモノは2種類あり、主に日本でペットになっているのはフタユビナマケモノという種類です。もう一方はミユビナマケモノと言い、指の数の違いがあります。ペットとしての寿命は30年程度、体長60~70cmほどで体重は4~9kgです。
価格は70~100万円と高額で、普通のペットショップではまず見ることができないでしょう。夜行性で1日20時間ほどは寝ていて動きません。エサは毎日新鮮な野菜を10gでOKという大変エコな生きものです。雑食なので果物等も食べますが、そもそも食べる量が少なく、排便回数も少ないです。排泄は決められたところでする習性があるのでトイレのしつけも楽でしょう。
ここまで聞くとエコで簡単そうなペットに見えますが、飼育環境を整えるのが難しい生きものです。ナマケモノは熱帯雨林に生息する良きものなので、気温・湿度の調整が欠かせません。気温は30度前後、湿度は70%程度が理想です。湿度が低下しすぎることが最大のストレスとなります。人間には不快な環境となるため、ナマケモノ用にエアコン等の設備が万端な部屋をひとつ用意する必要があるでしょう。ナマケモノは変温動物なので、環境が悪いと栄養を吸収するためのエネルギーも節約してしまい、お腹は膨れていても消化しきれずに餓死してしまいます。また、運動を指せすぎるとエネルギー不足で死んでしまうので、一緒に遊ぶことはできないでしょう。ナマケモノは生態を観察して楽しむペットですね。

ワラビー 正面のワラビーが少しかがんでこちらを見ている様子ワラビーはカンガルー科で、夜行性、カンガルーの中でも体重が25kg以下の小型な種類をワラビーとして区別しています。カンガルーに比べて後ろ足と尻尾が短いのも特徴です。日本でペットになっているのは、ダマワラビー、ダマヤブワラビー、ベネットワラビー、パルマワラビーの4種類のようです。体長42~100cm、体重2.6~27kg、価格は15~40万円ほどと種類によって全く違いますが、どれも寿命は10~15年程度です。珍獣専門店での取り扱いは割りとあるようですが、稀にペットショップでも見ることがあるかもしれませんね。
個体差や種類差もありますが、性格は好奇心旺盛、とても臆病で警戒心も強く、人にはなつきにくいと考えた方が良いでしょう。小さいころからミルクで育てたり、時間をかけてじっくりスキンシップをとったりすれば、馴れて手からエサを受け取ったり、お腹を出してリラックスする姿も見られるかも!?草食性なので、エサはウサギのペレットや牧草を主食に、副食として果物や野菜などを与えます。ただし、基本的には年中25度~32度程度のあたたかい飼育環境を整えてあげる必要があり、しつけができず、広い運動スペースも必要となるため、飼うのは難しそうです。

爬虫類や昆虫、水の生きものも珍しいペットがたくさん!

ミズクラゲが水中で漂っている様子爬虫類や昆虫、水の生きものは珍しい種類を上げたらきりがありません。一般的なペットショップではなく、インターネットで専門店を探せばたくさんあります。
近年、有名人が飼育していることも話題となり人気が出てきた爬虫類ですが、爬虫類というだけでもまだ珍しいペットかもしれません。珍しいペットがほしくて爬虫類を選んだ人もいるでしょう。爬虫類と一口に言ってもヘビ、トカゲ、カメ、イグアナ等たくさんの種類がいます。昆虫もメジャーに思えるカブトムシやクワガタも様々な種類があり、サソリやカイコはそれだけでも珍しいですよね。水の生きものも、金魚ひとつとっても特徴や飼い方の違う種類が多く存在し、海水淡水、魚、クラゲ、カニ等多種多様です。
いずれにしろ、爬虫類や昆虫、水の生きものを飼うということは、環境を飼うということです。温度・湿度等の飼育環境の管理が重要です。珍しい種類ともなれば、自分でよく調べる必要があるので、まずはお目当ての種類についてよく調べて学びましょう。

珍しい生きものをペットにするときの注意

ワシントン条約 ワシントン条約は珍しい生きものを保護する国際取引に関する条約で、この条約に指定された生きものは国際間取引禁止です。現地ではペットとして飼われている生きものでも、日本に持ち込むことができないものは飼うことができません。
例えば、マレーシアのマレーグマ、オーストラリアのウォンバットがそうです。生きものは何でもペットにできるというわけではありません。法律で輸入が禁止されているものもいるので、インターネット等で手に入るところがあったとしても、違法なお店もあるので気を付けましょう。

飼育環境や健康管理 珍しいペットは、愛玩目的で改良された品種というより、野生をペットにしている場合がほとんどです。本来、日本では生息できない野生動物を迎えるわけなので、温度や湿度、防音設備等しっかりと飼育環境を整える必要があります。エサも専用フード等がない場合が多いので、高いお金で購入したり自分で作ったりしなければならない種類も多いでしょう。虫やマウス等の生餌を必要とする生きものも多いので、見た目のかわいさに惹かれても、エサのグロテスクさに引くことも…
また、野生の生きものは生き残っていくための本能として警戒心が強く、人にはあまり馴れないと思っていた方が良いかもしれません。いくらかわいい見た目でも、狂暴だったり、臆病すぎてあまり姿を見せなかったりということもあるでしょう。長い時間をかければある程度馴れてくれると思いますが、犬のようになつくと思うとがっかりします。
珍しいペットは、一緒に暮らすだけで幸せ、見ているだけで良い、生活環境を整えてあげることに楽しさを感じる等という気持ちでペットを飼いたい人に合っていそうですね。

覚悟と責任、忍耐力や探求心 珍しい生きものは診てくれる動物病院も少なく、飼育法も確立されていないため、わからないことが多いです。珍しいペットを迎えるためには、覚悟と責任はもちろん、わからないことでも自分できちんと対処する力・探求心や忍耐力が必要です。飼っているペットについてよく学び、観察し、研究しましょう。
また、珍しい生きものは脱走にも要注意です。日本の自然環境では生きていけない生きものも多く、逆に生きていけるほど強い種類は日本の在来種と競合し、生態系を崩す恐れがあります。そういった点でも責任は重大です。
珍しいペットを飼うことのデメリットを知らずかわいいから、珍しいからという理由で飼い始めると後悔する可能性もあります。万が一手放すことになったら、一般的なペットでさえも苦労するところ、珍しいペットでは里親探しもより難航するかもしれません。

珍しい生きものをペットにする幸せ

珍しい生きものをペットにするというのは簡単なことではありません。先人の知恵や頼る人がいないというのは思った以上に大変なことだと思います。ペット初心者はまず王道で飼いやすい生きものから一緒に暮らし始めるのをお勧めします。珍しくなくてもペットとの生活はとても楽しいものとなるでしょう。
しかし、困難と分かっていても珍しいペットに愛情を注ぐことができ、難しい飼育条件も全てクリアすることができれば、きっと他のペットにはない幸せが得られることでしょう。あなたに合ったあなただけのペットライフを満喫してくださいね!