鳥は、種類によっては相当人になつきます。特にインコや文鳥は、呼ぶとやってきたり撫でてと甘えてきたり、とても愛情深い生き物です。飼育の手間も費用もあまりかかりません。
と、よく言われていますが、初めて鳥を飼う人にとっては、
「本当に鳥を飼うのは簡単?」
「ちゃんと飼い主になつくの?」
と心配になりますよね。鳥は、人にもよくなつき、飼うのが簡単で費用もあまりかからないと思われがちですが、必ずしもそういうわけではありません。
今回は、ペット初心者が鳥を飼うときの参考となるよう、鳥を飼うメリットとデメリットを紹介します。この記事を読んで鳥を飼うのって大変かも…と思われるかもしれませんが、鳥は他のペットにはない魅力を持った注目のペットです。鳥を飼うのがどういうことか、
目次
鳥を飼うメリット
ちょこちょこ動く仕草やカラフルな羽の色、鳥はその姿がたまらなくかわいいですよね。リビングに一羽いるだけで部屋の雰囲気が明るくなります。種類によっては犬や猫のようにコミュニケーションをとることができます。犬は主従関係、鳥はパートナー(恋人)と言われ、飼い主を認識してなつくので、きちんとお世話をしていれば良い相棒となるでしょう。よく見ていると表情豊かで、自分の気持ちを体全体で表現してくれるので見ていて飽きません。
ペットと暮らす楽しみは、一緒に遊んだり触らせてくれたり、コミュニケーションをとれることと考える人も多いでしょう。初めてペットを飼うにあたって、犬や猫はしつけや散歩が必要でハードルが高いと思う人にもおすすめです。
- あまりお金がかからない。
- 鳥かごやエサ入れ等の鳥を迎える準備にかかる初期費用はそれほど高くない。
- 飼育セット等も売っていて、15,000円前後で購入できる。
- 種類にもよるが、鳥の価格もそれほど高くない。
- 文鳥・セキセイインコ3,000円程度、オカメインコ・ボタンインコ・コザクラインコ1,2000円前後~。
- エサ代や冬にかかるヒーターの電気等、毎日かかる費用もそれほど高くない。月々2,000~3,000円程度。
- お世話にそれほど時間がかからない。
- 毎日のお世話は、エサや水の交換、フンの掃除程度で、簡単ですぐに終わる。
- 月に一度はカゴ全体を丸洗いして熱湯消毒、日光消毒をする必要があるが、それほど時間がかからない。乾かすのに時間がかかるが、洗うのは1時間もあれば終わらせられる。
- 1日1回30分~1時間程度、カゴの外に出して遊ばせる放鳥時間をとる。
- コミュニケーションが取れる。
- かまってほしい時は寄ってきて、撫でてと頭を下げたり、手に頭を押し付けたりして甘えてくる。
- 首をかしげながら人の話を聞いてくれる。
- 鳥は番いで暮らす生き物で、パートナーと認められればたくさんの愛情を表現してくれる。
- 自分になついてくれる。
- 飼い主や家族のことを区別して認識する。飼い主以外には攻撃になる鳥もいるほど。
- 飼い主が呼ぶとやってきたリ、帰ってきて姿を見かけると嬉しそうにそわそわする。
- いつも手や肩の上から離れず、安心して寝てしまうこともある。
- 犬や猫以上に長生きする種類もいる。
- ペットとして多く飼われているセキセイインコや文鳥で7年、オカメインコで15年。
- もう少し大型のインコは30年以上、オウムは50年以上生きる種類もいる。
賃貸マンションやアパートでペット不可物件でも小鳥は飼えるのか?
基本的には、「ペット不可」という物件では、犬や猫はもちろんどんなペットでも飼育NGです。カゴの中で飼うペットなら隠れて飼えばばれないと思うかもしれませんが、やめましょう。何かあった時に困ります。
ペット不可物件でも、カゴの中や水槽などで飼うペットは、大家さんと交渉次第で飼うことができる場合もあります。特に、小鳥は許可が下りやすいペットなようです。こそこそせずに、正々堂々とペットと暮らしたいですよね。賃貸でペットを飼おうと考えている場合は、できれば入居を前に大家さんと交渉してペット飼育許可が下りる住まいを探しましょう。
鳥を飼うデメリット
鳥を飼うということは良いことばかりではなく、悪いことも知った上で鳥と向き合ってもらうために、ここではデメリットもたくさん紹介します。鳥の種類や個体差にもよりデメリットも多少変わって来るので、「こういう場合もあるんだ」と参考にして、鳥を飼う心構えをしましょう。
- 噛む
- 鳥は手がないので、コミュニケーションはくちばしで取ることが多く、噛むことは普通。
- 慣れていれば甘噛みやつつく程度で済むことが多いが、種類や場合によっては出血することもある。
- 特に、インコ等の猛禽類のくちばしは挟まれると痛い構造になっていて、種類によっては力もかなり強い。
- いたずらが激しい
- 本や大切な書類、壁等、噛んでボロボロにしてしまう。
- 噛まれたくないものはしっかりしまっておく必要がある。
- 放鳥時は、鳥が口にすると危険なものもしっかり片づけ、外へ飛び出してしまわないように要注意。
- 部屋が汚れる
- 放鳥していると、フンを部屋のあちこちにされる。
- 皮付きエサのカラが部屋に散乱する。
- 抜けた羽や換毛期に出る白い粉(脂粉)が飛び散り、アレルギーの原因にもなる。
- トイレのしつけができない
- 鳥は、体の構造上、トイレを我慢することができない。
- いくら鳥は頭が良いといってもしつけられるものではない。
- 個体差がけっこうある
- 種類にもよるが、よく言われる特徴通りにはいかないことも多い。
- 例えば、セキセイインコなのになつかないし、しゃべらない場合もある。
- 案外うるさい
- かまってほしくて鳴いたり、カゴをかじったりする音が大きい。
- 寂しさがストレスになる
- 人間に良くなついている手乗りの場合、かまってあげられないとストレスになり、羽をむしったり病気になったりすることもある。
- 毎日ある程度かまってあげる時間が必要になる。
- 診てくれる病院が少ない
- 犬や猫を診る病院は多いが、鳥やハムスター等の小動物といったエキゾチックアニマルは診療してくれる病院は少なめ。
- あらかじめ、鳥を診療してくれる病院を見つけておく必要がある。
鳥がトイレのしつけができない理由
鳥は、とても頭の良い生き物です。トイレのしつけができない、トイレが覚えられないというよりは、体の構造上、トイレを我慢することができません。空を飛ぶ生きものである鳥は、自分の体重を持ち上げて羽ばたくために、常に体をできる限り軽くしておく必要があるからです。そのため、鳥の体は、排泄物をとどめることができずにすぐに体の外に出されるという構造になっています。
稀に、トイレを察知して行動する鳥もいるようで、フンは鳥かごの上でしかしない、手の上では絶対フンをしないという体験談もあります。そういった鳥は、あくまでも稀なことです。鳥はトイレの位置を決められない、と覚えておきましょう。
ペット初心者が鳥を飼うには
鳥を飼ったことがある人は、すごく自分になついて、お世話は楽だしお金もかからない、犬や猫より素晴らしいペットだという人もいます。そう言える人は、自分のペットを大切にしてしっかりお世話をして、信頼を築くことができたのでしょう。しかし、そのかわいい見た目と、なつくという評判から文鳥やインコを飼って失敗する人も少なくありません。
熱しやすく冷めやすい人は要注意!自分の適性をよく考える
鳥との信頼を築いて仲良く暮らすには、大切にお世話をし続けることが重要で、根気も必要です。ヒナから育てればなつきやすいですが、ヒナのお世話は一日に数回のさし餌をしなければいけません。ヒナから育てても、種類や性格によっては警戒心が強く、なかなか人になつかない子もいます。特に、良くなつくといわれるセキセイインコ等でも成鳥から飼うと、なつくようになるまで時間がかかることもあるでしょう。
「簡単」「なつく」という言葉は魅力的です。しかし、鳥を飼うデメリットを見てわかるように、その言葉を鵜呑みにしてはいけません。「自分になつく相棒だ!」と意気込んで飼ってみると「噛むし世話するのが面倒!何で飼っているのかわからなくなった」と言って捨ててしまう人もいるのが現実です。ペットとして改良された文鳥やインコ等の鳥は、外に放しても野生で生きてはいけません。
もしも自分になかなかなつかない生き物だとしても、あなたはお世話をし続けることができますか?
鳥を飼う前に、一度冷静になって自分の性格、適性をよく考えてみましょう。
初心者におすすめの鳥
鳥と一口に言っても、小型のジュウシマツから大型のコンゴウウインコ等、たくさんの種類がいます。中でも、なつきやすく比較的体が丈夫で、初心者でも飼いやすい鳥を紹介します。
文鳥
- 好奇心旺盛で人にも良くなつくが、気が強く臆病な面もある。
- 慣れるまでは過度なスキンシップは控え、時間をかけてゆっくりと慣らしていく。
- 鳴き声はそれほど大きくない。
- 体長:14~17cm
- 体重:24~25g
- 寿命:7~8年(10年以上生きることも少なくない)
- 価格:1,500円~
セキセイインコ
- カラーバリエーションが豊富で見た目にも鮮やかで美しい。
- 人なつこくおしゃべりも得意。
- 体長:18~23cm
- 体重:30~40g
- 寿命:7~14年
- 価格:2,500円~
コザクラインコ
- 尾羽が短く、ずんぐりとした丸い体形がかわいらしい。
- 人懐こく温和で、多少手を出してもそれほど臆することがないので積極的にスキンシップをとれる。
- 鳴き声は甲高く、噛む力が強いので要注意。
- ラブバードと呼ばれる愛情深い鳥で、ペアになると非常に仲が良くなるため、飼い主をパートナーと認めるとベタベタになつく。
- 体長:約15cm
- 体重:40~60g
- 寿命:5~15年
- 価格:7,000円~
ボタンインコ
- 外見はコザクラインコと似ているが、違いはアイリング=目を囲うようについている丸。
- 神経質で感受性が強い面があり、触ろうとすると逃げることもあるので、適度な距離で信頼関係を築いていく。
- 鳴き声は甲高く、噛む力が強いので要注意。
- ボタンインコもラブバードと呼ばれるほど愛情深いので、信頼関係を築くとベタベタになつく。
- 体長:14~17cm
- 体重:35~50g
- 寿命:7~15年
- 価格:7,000円~
オカメインコ
- 実はオウムの仲間で、冠羽とほっぺのオレンジが特徴的。
- 温和でおっとりした性格で、飼い主にべた慣れする。
- おしゃべりは得意ではないが、口笛のマネが得意。
- 寂しがり屋で臆病で神経質なため、ストレスに弱くパニックを起こすこともある。
- 体長:30~35cm
- 体重:80~100g
- 寿命:10~15年
- 価格:10,000円~
鳥を飼うと決めたからには愛情と責任を
最初は皆初心者です。不安があれば、何度でも本を読み、周りにいる実際に飼っている人や飼っていたことがある人に聞いてみましょう。インターネットでもたくさんの体験談や情報が得られます。ただし、良い言ばかりを鵜呑みにせず、自分だったらどうするかを考えてみてください。
インコや文鳥などの鳥に限らず、ペットは、実際に飼ってみなければ大変さや簡単さはわかるものではないかもしれません。同じ種類とはいえ個体差もあるので、どんな性格の子がやって来るのかは運です。家族として迎え入れると決めたのなら、どんな子であれ、最後まで責任を持って最後までお世話をしましょう。それがペットを飼う者としての責任です。責任というと堅苦しいかもしれませんが、毎日お世話をして一緒に暮らしていれば、愛情がわかないわけはないですよね。愛情を持って大切にお世話をし続けることで、きっと鳥との信頼を築いていけるでしょう。
鳥を飼うことに興味を持ったら、まずは、本物の鳥たちとふれあってみるのが良いかもしれません。秋田にはインコやフクロウ等とふれあえるカフェがあるので、遊びに行ってみるのはいかがでしょう♪
ふくろうカフェRicky秋田店