
雪今に限らず、ペットの人気は昔からありますが、昨今、特に単身生活にける価値観の変化や、コロナ禍による人との交流機会の減少、インスタグラムやYouTubeでのペット情報の拡散、などの要因が、ペットを飼うことに大きな影響を与えています。
そんな状況下で、
「私もペットがほしい。ペットいっしょに暮らしてみたい。」
と初めてのペットの所有を決意している人は多いでしょう。もしくは、
「以前飼っていたが、また飼いたい。」や
「実家にはいるけど、自宅でも飼おうかな。」
という方もいるでしょう。
さて、ペット、特に犬や猫を買うと決意したあなた、どこで買いますか?
ペットショップですか?それともブリーダーからですか?
今回はブリーダーから犬や猫を買うときに知っておくべきことをまとめました。これからあなたの家族となり大切な時間をいっしょに過ごす犬や猫たちです。ペットとの幸せな生活のためにも、しっかりとした情報収集と、あなたに合ったブリーダー選びをしましょう。
目次
(ここで言う)ブリーダーとは
犬や猫など、家庭用ペットを繁殖、販売する人のことを言います。登録が必要であり、各種関連法令の順守も求められます。
ブリーダーから犬を買うメリット
専門性
ブリーダーは(犬や猫の)種別を限定して飼育、繁殖させていることが多く、その種の飼育に関する知識や経験が豊富です。したがって、その種の特性や特徴、飼育に関するアドバイスにいたるまで、購入者様、飼い主様の、疑問や不安に答えてくれるでしょう。
購入前はもちろん、購入後も相談できるブリーダーを選びたいですね。
血統の把握
ブリーダーは自身の管理で繁殖させているため、その個体の身元がはっきりしています。たとえ、その個体の血統が競技大会やコンテストの賞とは無縁だったとしても、どんな親だったかを把握できていることは信頼につながります。
しかしながら、血統が全てではありません。ペットに対する考えや価値観は人それぞれ異なります。あなたが愛せるペットに出会うことが大切です。
低ストレス
ブリーダーによって個体の飼育環境に多少の差はあるだろうと推測できますが、ブリーダーの管理飼育下での個体は、ペットショップの個体よりもストレスが少ないのが一般的です。なぜなら、ペットショップの個体は狭い空間で長時間、多くの人に見られる状態にあるためです。
それを良い意味で受け取るとすれば、ペットショップの個体は、ブリーダーの個体よりも人間に慣れているかもしれないことです。
社会性、協調性
もしあなたがすでに犬や猫を飼っていたとして、新たに犬や猫を迎え入れたいとき、新しい個体が、今いる個体と仲良くできるかどうか、不安に思うかもしれません。もしくは、散歩中の愛犬が別の犬と出会ったときや、ドッグランに愛犬を連れて行って他の犬と遊ぶとき、うまく触れ合えるか心配になるかもしれません。
ブリーダーが飼育する個体は、他の個体といっしょに飼育されることが多いため、ペットショップの個体よりも社会性、協調性に優れているでしょう。もちろん、犬種や猫種、個体差による性格の違いはあります。
ブリーダーから犬を買うデメリット
ほしい種のブリーダーが近くにいない可能性
世の中には様々な種類の猫や犬がいますが、1人のブリーダーが扱う犬や猫の種類は少ないことがほとんどです。1種類のみを繁殖、飼育しているブリーダーも珍しくないでしょう。
あなたが欲しい犬種や猫種が、人気のある種類の場合、ブリーダー探しは簡単かもしれません。
しかし、珍しい種別の個体、または特定の血統の個体を探している場合、それらを扱うブリーダーの数は限られ、ブリーダー探しは困難になり、見つかったとしても自宅から遠い可能性が十分にあります。
もっとも、希少な個体を探している方にとって、距離はそんなにデメリットではないかもしれませんが。
タイミングによっては、待つ必要がある
これも犬種や猫種とそれらのブリーダーの数によりますが、お目当ての赤ちゃん犬や赤ちゃん猫が、あなたが欲しいときに都合よくいるとは限りません。
ブリーダーにこだわらず、また、ブリーダーの所在地も気にしなければ、受け取りのタイミングはあなたの希望に近づくでしょう。
逆に、「このブリーダーから買いたい!」と決めたブリーダーがいる場合、赤ちゃんペットを迎え入れるまで、待たなければいけないかもしれません。
ブリーダーが販売を拒否する場合がある
多くのブリーダーは愛情を持ってその個体の繁殖、飼育を行っています。それゆえに、自分の元を離れる個体に関しても、いい意味で我が子のように気にかけることがあり、それは決して珍しいことではありません。そのため、ブリーダーによっては、購入者を選び、販売を拒否することがあります。
利益重視で質が悪い場合、素人がそれを見分けるのは難しい
全てのブリーダーが、良いブリーダーとは限りません。利益を追求し、その結果として比較的質の悪い個体を販売してしまっているブリーダーがいるかもしれません。
ここで悩みの種となりえるのは、あなたがその犬種や猫種について詳しく知らない場合、その個体の質について良し悪しを判断するのが難しい、という状況です。
ブリーダーから犬を買うときに考慮すべき項目
しつけ済の可能性
犬や猫のトイレなど、基本的なしつけは、初めて飼う人にとっては難しいことかもしれません。また、しつけの経験がある人にとっても、それは面倒なことかもしれません。
そんなしつけですが、ブリーダーの飼育方針によっては受け取る前に済んでいる場合があります。(購入者、受け取り手がいないまま)個体の月齢が進んでいればいるほど、しつけ済みの可能性は高くなります。
また、できれば最初から自分でしつけをしてみたいと考えている方もいることでしょう。よって、しつけ済かどうかが気になる方は確認しましょう。
個体の家族について
通常、ブリーダーは個体の、(少なくとも片方の)親を飼育していることがほとんどです。また、その個体に兄弟姉妹がいれば、あわせて飼育しているでしょう。したがって、あなたが迎え入れる犬や猫の両親や兄弟にも会うことができるかもしれません。
感染症予防の観点から、会わせることを制限している場合がります。会うことができないとしても、その個体の家族について話を聞くことは可能でしょう。
個体の家族について知ることは、その子の背景や性格を把握する際に役立ちます。
あなたが探しているのは良いブリーダー?良い個体?両方?
ブリーダーから子犬や子猫を買おうとしている場合、あなたが探しているのは、良いブリーダーですか?それとも良い子犬や子猫ですか?あるいはその両方ですか?
これはとても悩む問題です。
良いブリーダーから理想の個体を迎え入れることが最も望ましいことですが、現実はそうではないこともしばしば起こりえます。
ほしい犬種や猫種、ほしい時期、予算、あなたにぴったりのブリーダー、などなど状況によって何かを妥協せざるを得ないことがあるでしょう。
できるかぎり心と時間に余裕をもってブリーダー選び、ペット探しをしましょう。
値段は安いとも高いとも言えない。
中間業者がいないため、ブリーダーからの購入は、ペットショップでの購入より一般的に安いと言われていますが、必ずしもそうとは限りません。全て、ブリーダーによりけりです。
また、高いから良い、安いから悪い、とも安易には言えません。
ブリーダーの良し悪しと、個体の良し悪し、そして予算を考慮して、自分で価値を見出すことが重要です。
ブリーダーからのペット購入でトラブルを避けるために
ペットの詳細や健康状態に関する説明がない場合、購入を見送りましょう。後述しますが、第一種動物取扱業者は、哺乳類・鳥類・爬虫類の購入者に対して、その動物の特徴や飼育方法を説明する義務がります
ブリーダーの事務所を訪問した際、またはペットの飼育場を見学した際、不衛生だと感じたら購入を控えましょう。不衛生、劣悪な環境下で飼育されている動物は健康面で他の個体より不利な場合があります。
悪徳ブリーダーから購入してしまい、ブリーダーと音信不通になるのを避けるため、少しでも懸念がある場合は、即断即決を避け、情報収集に時間を費やし、ブリーダーとの信頼を築きましょう。
購入の契約と(受け取り前の)解約、および解約にかかる違約金の有無、また、予約金(手付金)の有無やキャンセル時のそれらの扱いについて、購入の前にしっかり確認しましょう。
信頼できるブリーダーを見つけるためのヒント
第一種動物取扱業の登録の有無を確認する
第一種動物取扱業者(哺乳類、鳥類、爬虫類の販売を業として営む者)は、販売に際し、購入者に現物確認および対面説明(動物の特徴や適切な飼養方法等を文書や電磁的記録物を用いて説明)をすることが義務付けられています。
- 説明すべき項目(一部抜粋。犬猫の場合の概略)
- 犬種や猫種の名称
- 性別
- 生年月日(推定を含む)
- 生殖可能時になったときの標準体重や標準体長
- その種の平均寿命
- えさ、および水について
- 運動と休養について
- 感染症や疾病について
- 不妊、去勢について
- 遺棄の禁止や関連する法令について
- その個体の病歴やワクチンの接種状況
- その個体の親とその個体の兄弟姉妹に係る遺伝性疾患の発生状況
複数のブリーダーで比較する
購入前に複数のブリーダーに会い、各ブリーダーの性格や対応、動物の飼育環境や雰囲気を比較すれば、あなたにとってより良いブリーダーを選ぶヒントとなるでしょう。 仮に、事前に友人や知人、そしてインターネットなどの情報をもとに探して最初に出会ったブリーダーに、好印象を持ったとしても、2人目3人目のブリーダーと話をし、対応や環境、雰囲気を比較することは判断する上でとても役にたちます。
犬猫であれば生後56日以上の個体を購入する
幼齢の犬猫の販売には制限が設けられており、生後56日を経過しない犬および猫の販売は禁止されています。
実物の確認
実際に個体や飼育場所(犬舎等)を見て状態を確認することで多くの情報を得ることができます。(個体そのものの確認はできても、感染症予防の観点から犬舎の見学できない場合もあります。) なお、犬猫の展示や見学、受け渡しの時間は午前8時から午後8時までと決められています。
- 確認すべき項目(全てを確認できるとは限りません。)
- 両親を見せてくれるか?
- 両親の年齢
- 両親の性格
- 両親の健康状態
- 出産回数や出産間隔
- 兄弟の有無や、兄弟を見る事ができるかどうか
- しつけ
- 子犬の生体保証
- 個体の性格
- 売れ残ったらどうなるか
- ワクチンについて
契約の確認
契約内容の詳細を書面でしっかり確認しましょう。
- 確認すべき項目
- 契約の流れについて
- 契約から受け渡しまでの流れについて
- 保証について
- キャンセルについて
- 予約金や手付金の有無
- 支払い方法および支払い期限について
ブリーダーとペットショップ、どちらで買おうか悩んでいる人へ
本ページでは、ブリーダーから動物を購入することについて、いろいろとご紹介してきましたが、ブリーダーにはメリットとデメリットがあり、同じようにペットショップにもメリットとデメリットがあります。
大事なことは、ペットを購入する場所や人が、あなたにとってそれぞれどんな意味を持つか、であり、その答えは人によって様々です。
どこで購入したペットでも、飼い主の愛情がその子の未来を決めます。それだけは確かです。