愛犬は留守中に何してる?お留守番をしてもらうためのコツ

ペットと一緒に暮らしていく上でどうしても留守番が必要になるときがあります。急な仕事や冠婚葬祭等、愛犬を連れて行くことはできません。普段一緒にいる間は、家の中を悠々自適に過ごしている愛犬。家を留守にしている間、どんなふうに過ごしているのか気になりますよね。家で一緒に過ごしていてもほとんど寝ているし、おそらく一人でも寝ているだろう。と思われますが本当は…?
今回は留守番をしている愛犬にカメラを取り付けて撮影した様子の動画と、お留守番のコツについて紹介します。

留守中の愛犬を撮影した実験動画

今回紹介するのは海外で撮影された動画です。留守中に愛犬が何をしているのか、という素朴な疑問を解決するために実験的に撮影されたそうです。愛犬の首輪にカメラが取り付けられています。果たして、帰宅後にカメラに映っていたものとは!?

本当は、お留守番はとても寂しい

動画を見て泣いたという声もあるほど、実験は悲しい結果でした。いつも一緒にいるときのようにごろごろしているのかと思いきや、飼い主を探してうろうろしたり悲しい声を上げたり、とても寂しそうです。
犬の祖先であるオオカミは、リーダーを中心に群れで生活していた動物です。そのため、犬は一人でいるのが苦手で、一人でいる不安や寂しさから分離不安になったり、ストレスから鬱になったりする犬もいるようです。そうならないために、うまく留守番をさせることで犬にかかるストレスを軽減してあげましょう。

留守番が苦手な犬にしてしまうと…

一人で留守番をすることで寂しさからくるストレスがかかり、分離不安の症状や健康に問題が出る恐れがあります。分離不安の症状は、吠え、粗相、物を壊す等の問題行動や、毛がなくなって血が出るほど足をなめ続ける等の自傷行為にまで及ぶ場合もあります。飼い主にとっては困った問題であり、犬にとっても辛いものです。
分離不安は、もともとなりやすい性格の犬もいますが、飼い主の過剰なかわいがりにも原因があります。愛犬を辛い分離不安状態にさせないためにも、日頃の接し方やトレーニングを行うと良いでしょう。
分離不安について詳しくはこちら

お留守番をしてもらうために普段から気を付けること

日頃から一人の状況に慣らしておく

かわいがらないとは違いますが、子犬の内から過度なスキンシップは問題です。何かがあれば飼い主が来てかわいがってくれる、すぐに抱っこしてずっと撫でていてくれるというのが当たり前になると厄介です。甘えん坊でかわいいと思うかもしれませんが、いつでも甘えられる状況になければストレスに感じてしまうようになる可能性があります。
一人の時間も不安にならないように、愛犬の要求に応えず淡々と接することも大切です。例えば、トイレで部屋を出る時、ついてくる愛犬を撫でたり「ちょっと待っててね」等と声をかけたりしないようにしましょう。諭すように声をかけることで、これから起きることが特別なことのように感じさせ、不安をあおってしまいます。

物事に動じないようにする

子犬のうちから社会を学ばせることが大切です。散歩に連れ出して街の景色を見せたり匂いをかがせたりたくさんの人と触れ合ったり等、社会経験を積ませましょう。小さいうちにいろいろなものを見て経験することで精神力が鍛えられます。
また、犬は飼い主の感情に敏感なので、飼い主が物事に動じないようにしましょう。例えば、外で大きな物音がしても飼い主は知らんぷりで動じない態度を見せます。「怖かったね~大丈夫だよ~」と過剰に慰めてあげてはいけません。大したことのないものでもそれをすることによってとても不安なものなのだと認識してしまう可能性があるからです。
飼い主側の不安の押しつけ等の繰り返しは要注意です。不安を増長しないよう飼い主も普段の接し方を意識しましょう。

安心して過ごすことができる場所を用意する

愛犬には家の中で自由にさせている人が多いと思いますが、留守番をうまくしてもらうためにはサークルやハウスの存在が重要です。愛犬が安心できる場所をしっかり用意してください。お気に入りのクッションやおもちゃを置いておくと良いでしょう。小さいうちからサークルで寝かせる習慣をつけたり、おやつをあげるときはサークルへ誘導したり、普段からサークルに入ることに抵抗がないようにします。
犬は、先祖が穴ぐらで暮らしていたことから、狭い空間で体が何かに触れている状態の方が精神的に落ち着く習性があります。留守番をさせるときは、広い家をうろうろさせるより、サークルに入れた方がストレスは少なくなります。サークルが安心できる自分の居場所であると認識することで、落ち着いて留守番することができるようになるでしょう。

お留守番のコツ

お留守番トレーニングをする

いきなり長時間の留守番がうまくできる犬はいません。短い時間から留守番の練習を始め、だんだんと一人でいることに馴れてもらいましょう。 出かける準備をして10秒程度で戻る。その次は1分、3分、5分…とだんだんといなくなる時間を延ばしていきます。犬が吠えていた場合、吠えるのをやめるまで戻らないようにします。また、準備から出るまで、戻って来たときは犬に声をかけてはいけません。
これを繰り返すことで、飼い主がいなくなってもそのうち戻って来るということを理解します。留守番は特別なことではなく、日常の普通の出来事なのだと覚えさせましょう。

外出時と帰宅時は平然とした態度で

出かけるとき、飼い主は何らかの準備をすると思いますが、その時点で犬が気づいてそわそわし出しても無視します。「ちょっとだからね」「行ってくるからいい子にしててね」等と声をかけてはいけません。でかけるときにいつもと違う態度をとってしまうと、犬も察して心配してしまいます。
帰ってきたときも同じです。犬が大喜びではしゃいでいても無視し、自分のことを優先してください。コートを脱いで荷物を片づけ、飼い主の方も帰宅からひと段落し、犬の興奮も収まってきたところでようやく愛犬と目を合わせていつものように接します。待ってましたとばかりに大はしゃぎさせるのではなく、日常的になでたり抱っこをしたりするように接しましょう。
飼い主の態度によって、留守番が普通のことの一部になっていきます。帰ってきた後の大喜びができないのは少し寂しい気もしますが、愛犬のストレスを考えると飼い主も我慢が必要ですね。

気がまぎれるようなおもちゃを用意しておく

若く元気な犬にとって、飼い主のいない留守番は寂しいだけではなく、退屈でもあります。留守中気がまぎれるように、大好きなおもちゃや長持ちするガム、おやつを詰めたコング等をサークルに入れていくと良いでしょう。特に、おやつを詰めたコングは、一人でも夢中になれるのでおすすめです。

ペットを見守るためのカメラ
留守中、愛犬がどんな様子なのか、興味もありますが心配もありますよね。そんなときに役立つのがスマートフォンで様子を見ることができるカメラです。カメラを設置することで、分離不安の症状があるかどうかも確認できます。
遠隔操作による拡大・角度調整できるものや、映像を一方的に見るだけではなく、音声のやり取りができるものもあります。中には、好きなタイミングでおやつを出す機能も!価格は安いもので5,000円程度からあるのでお手頃ですね。

留守番に向いている犬
犬は孤独が苦手な生き物ですが、比較的留守番に向いている犬もいます。柴犬やチワワ等の独立心の強い犬種、トイプードルやミニチュアシュナウザー等のしつけが入りやく賢い犬種、シーズー等の温厚で聞き分けの良い犬種です。
また、犬も人間と同じように個体差があります。留守にしがちな人は犬種も参考にしつつ、独立心が強い犬を選ぶのがポイントです。一人でいてもあまり苦にならないタイプの性格であれば、留守番のストレスはそれほど強くないようです。
ブリーダーは犬それぞれの個性を把握している場合が多いので相談してみるとよいでしょう。ブリーダーに聞く子犬の選び方の記事を参考にしてみてください。

まとめ

犬を飼っていればほぼ避けられない留守番ですが、日頃の習慣やトレーニングによってある程度ストレスを軽減することができます。愛犬がストレスなく幸せに暮らしていくには、飼い主の努力が欠かせません。飼い主次第で犬は変わります。
ただし、いくらトレーニングをして留守が普通のことになっても、犬は孤独が苦手です。できるだけ一人にしないように、家族で外出時間を調整する等、生活を工夫しましょう。
当然ですが、長期間の留守番はできません。留守が多いと分かっている人は、犬を飼うこと自体を考えなおすことも必要でしょう。留守にしている間、あなたは誰かと一緒でも犬は一人です。人間も一人は寂しいものですが、本当に犬と一緒に暮らせる状況にあるのかよく考えてみてください。犬と人間とお互いが幸せに共存できる方法を考えていきましょう。