ビオトープは、人工的に自然を作り、メダカを飼ったり植物を育てたりする楽しい世界です。容器の底には土や砂利等の底床材を入れます。土に植える植物を育てるには必須の要素です。水を浄化するバクテリアの住み処にもなるので、植物を植えない場合でも底床材はあった方が良いでしょう。
底床材は土以外にも様々なものを選ぶことができます。今回は、底床材の種類のメリットやデメリットをまとめて紹介します。
底床材とは
底床材とは、ビオトープの底に敷き詰めるもののことです。必須というわけではありませんが、バクテリアの住み処となるので、バクテリアを増やし活発に活動してもらうためにも底床材はあった方が良いでしょう。バクテリアは、メダカのフンに含まれる毒素であるアンモニアを分解して無害にしてくれます。きれいな水を保つためにバクテリアは重要です。
土を入れると水が濁ってしまうのが気になるという人は、砂利を入れるのがおすすめです。砂利ではほとんど植物を育てられないので、水草等の土がなくとも育てられる植物を入れ、水中の酸素を作り出しましょう。ただし、植物を植えて楽しみたい場合、植える植物によっては土が必要です。
土
養分が多く含まれているので、植物を育てるにもピッタリです。ただし、崩れやすいので、水が濁りやすくなります。また、入れすぎると水質悪化につながるので要注意です。
赤玉土
- メリット
- 安価で、コストパフォーマンス抜群!
- 大きい容器でビオトープを始める場合、たくさんの底床材が必要なため、安価な赤玉を使う人が多い。
- ホームセンターや園芸店、100均等、身近で簡単に手に入る。
- 粒が粗い中~大粒を使うと掃除等、管理しやすい。
- 自然な色合いで、水草と合わせても違和感なく自然な仕上がりになる。
- 養分が少ないためコケが発生にしにくい。
- 細かな隙間がたくさんあるのでバクテリアが住み着きやすい。
- デメリット
- 崩れやすく水が濁りやすい。※2~3日放置すればきれいになる。
- 弱酸性なので、水が酸性になりすぎると病気が発生しやすくなる。➡酸性になりすぎないよう、カキ殻等を入れて水質を調整すると良い。
ソイル(黒土)
- メリット
- 赤玉と同じように、細かな隙間がたくさんあるのでバクテリアが住み着きやすい。
- 適度な肥料分があって水草が育てやすい。
- 水質が弱酸性で安定しやすい。
- デメリット
- 赤玉のように安価ではないので、大量に必要な場合、お金がかかる。
- 崩れやすいので、屋外で長い間使うのは難しい。※室内向き。
荒木田土
- メリット
- 田んぼで使われているような粒が細かい泥に似た土のため、栄養分や肥料が豊富で、メダカやタニシ、エビ等の飼育にも優れている。
- 水草を育てるにも効果的。
- 室内の水槽には向かないが、室外のビオトープには向いている。
- デメリット
- 栄養分が豊富過ぎるので観賞用としてきれいな状態を保つのは難しい。
- 栄養豊富なため、アオコ等の植物プランクトンが大量発生し、グリーンウォーターになりやすい。
グリーンウォーター(青水・緑水)とは
自然の池や湖でよく見られるような緑色の水のことです。植物プランクトンの大量発生が原因です。アオコや水の華とも呼ばれます。植物プランクトンはメダカのエサになるので、飼育にとってはメリット多く、特に稚魚の育成には理想的な環境です。植物プランクトンあh日光を当てると良く増えるので、わざと増やしてグリーンウォーターでメダカを飼育する人もいます。
適度なグリーンウォーターはメダカにとっては良い環境ですが、見た目を気にする人は、日光があまり当たらないようにあ日陰に置いたり、タニシを入れて水を透明に保ったりすると良いでしょう。
使ってはいけない土
ビオトープでは、園芸用として売っている肥料を含んだ土はNGです。メダカにとって有害な物質が含まれていたり、水に溶けだして水質が悪化したりする可能性があるので避けてください。植物にとって肥料は大切ですが、メダカ等の生き物も入れる場合には十分気を付けましょう。
砂利
砂利は形が崩れにくいのでメンテナンスがしやすく、長期利用できます。養分を含まないので、水草や睡蓮等の水生植物を植える場合、別のポットや鉢等に入れて沈めると良いでしょう。カラーバリエーションが豊富なので、レイアウトが楽しく、観賞用にもぴったりです。
- 大磯砂
- 古くから金魚やメダカの飼育に使用され、和の趣を感じられる。
- 安価で手に入る。
- 粒が大きめなので水通りがよく、底面フィルターと相性が良い。
- 砂の粒に隙間はないので、土と比べるとバクテリアの繁殖は少ない。
- 田砂
- 田んぼの泥を取り除いて砂粒だけにしたもので、粒は小さく丸みを帯びているため、砂の上を這ったり中にもぐったりする生き物の怪我の心配がない。
- 茶褐色で温かみのある色。
- 川砂
- 川で採取された砂で、基本的には、粒は大きさにばらつきがありごつごつしているのでざらざら感がある。
- 採取される川によって色や形、大きさ等にばらつきがあるので、川砂と言ってもひとくくりにはできないので注意。
- 川の自然な雰囲気が出る。
- 珪砂
- 色が明るい茶色で透明感があり、見た目が華やかになる。
- 水槽に入れるとインテリアとしてオシャレになる。
- その他
- 白、カラフル、形がバラバラ等、水槽をオシャレに演出するための様々な種類の砂利がある。
- 側面からの観察ができない容器の場合、上から見下ろすだけなので、水槽ほどオシャレには見えないかもしれない。
- オシャレを求めるとビオトープの意味とはずれてしまうかもしれないが、鑑賞やレイアウトを楽しむことができる。
底床材を選ぶポイント
様々な種類の底床材があり、どれにしようか迷ってしまうこともありますよね。そんな時は、メダカの観察のしやすさと、植える植物を考えて選ぶのがポイントです。
色は、メダカが目で見やすいように、メダカの体の色と反対の色を選びましょう。例えば、メダカと言えばおなじみのオレンジ色のヒメダカを飼うのに、オレンジ色の土を入れてしまうと同じ色同士でメダカが見えにくくなってしまいます。川や田んぼにいる野生の黒メダカを採集してくる場合、黒色のソイルを敷いてしまうと、これもまたメダカの姿を確認しづらくなるでしょう。
また、植える植物が睡蓮等の根を張る場合、土に植え付ける必要があります。水草でも植え付けて固定できるので、底床材があった方がレイアウトを楽しめるでしょう。